この記事は Roguelike advent calendar 2019 10日目の記事です

私はローグライクが好きだ。(以下略)
お初にお目にかかります、Hourierといいます
ローグライク雑食種です、重厚長大オープンワールドRPGも大好きです
変愚のチャットでお世話になっている皆様には、改めてよろしくお願いします
他にも色々ありますが、細かいことはIRCの「#ぐりっどばぐ」でお話しましょう!

さて自己紹介はこの辺にして早速掲題の件、やっていきましょう
なおAdvent Calendar中の記事は長文ばかりですのでご了承を。。。

ローグライク系のゲームはまぁまぁたっぷりやったと思ってます
コンシューマー (以下「CS」)・PCと分けて書きつつ、それぞれの作品とそれぞれの差異について雑感を色々書いていこうと思います
よく分からない作品は適当に読み飛ばしてもらって構いません
「へーこのゲームってそういう特徴があるんだー」的なまとめ記事と捉えて頂ければ幸いです
適当プレイのタイトルもあるので、間違った知識をドヤ顔で披露してたらごめんなさい


コンシューマー系
初めてローグライクというものに触れたのは'97年頃でした
当時、友人のO君が初代シレンをプレイしていたのを彼の家で見ていたのが始まりで、あれから20年以上経ちます
なんと今でもO君とはシレンの話で盛り上がるので合縁奇縁とはよく言ったものです
チュンソフト系だとトルネコ1、シレン2、シレンGB2、アスカは相当やり込みました
トルネコ2、シレンGB1はまぁまぁプレイした方です
シレン3、シレン4は途中でプレイを止めてしまいました……そしてシレン5は未プレイ

いわゆる「もっと不思議」を30Fまで攻略できたのは、シレン1・トルネコ1 (奇妙な箱)・シレンGB2 (アテカ姫救出)、99Fまで踏破できたのはシレン1とアスカだけです
クリアできた作品についてはほとんどのモンスターにおける攻撃力・防御力・アイテムの値段・モンスターのアイテムドロップ率を暗記しきっていて、アイテムの効果で知らないものはないというレベルまで覚えてしまっていた……
そういう圧倒的な情報量が攻略に必要だったのではないかと思いつつ……(伏線)

さて、もうCSはぶっちゃけ低調と言わざるを得ません
とはいえ、トルネコ2の外注だった会社が作ったオメガラビリンスシリーズは割と面白かったです
Vitaにはもっと頑張って欲しかった……これからはSwitchに期待
「2の外注」という宣伝文句だったのにトルネコ1風のシステムだったのが印象的でした
(初代には壺に相当するアイテムがなく、2である「Z」で初登場)
あと、美少女系ゲーム (ギリギリ非エロ)であるが故にそっち系のアイテムもありますが、
それを持ち帰ろうとするとアイテム欄縛りプレイが自動的に始まってしまう
「おお斬新で面白いバランスだ」と妙に感動したのを覚えていますあと宇宙人小林

ドルアーガ (PS2)はなんか色々かったるかった記憶、でもつまらないとも違ったり
日本一系 (世界樹&神様と運命)、聖魔導物語はやりたかったんですが気がついたら乗り遅れていて買っていません
この辺くらいですね、総じて初代シレンとアスカをどっぷり遊んでました
特に今でも初代シレンだけはたまに引っ張り出して遊びます
大好きだ!

ちなみに筆者はシレンGB2のダメージ緩衝式を自力で見つけ出しました
他の攻略サイトをどんなに眺めても載っていないので、こっそりここへ載せることにします
ダメージ = 乱数 * 攻撃力 * (31/32) ^ 防御力
(乱数部分は不明、多分初代と同じく7/8~9/8くらいの間で変動するんでしょう)
トルネコ1・シレン1も同様の式で、定数部分が15/16です
GB2の方が「攻撃力を上げてもダメージが増えにくい」「防御力を上げてもダメージが減りにくい」という仕組みになってます
「剣/盾を装備せずに『もっと不思議』をクリアした」という称号がGB2にあるのは、間違いなくこの辺も関係してますね


PC系
真面目にプレイしたことあるのはElona、変愚蛮怒、短愚蛮怒の3つ
ぼちぼちプレイ中なのはToME4
Rogue Clone2、NetHack、Angband、DCSS、メイデンスノウ、不可思議なダンジョン、ディアボロの大冒険はちょっとプレイした程度です
掻い摘んでいくつか紹介します

システム面でついていけなくて挫折しました (伏線回収)
v3.4~v3.6が出た時にちょっと遊んだ程度で、ノームの鉱山が暗闇だった時は特攻するしかない程度の知識量です
アレ、常時明るくてもいいんじゃないですかねぇ。。。
ノームの街で誰かに殺されたのが最深記録です、鉱山の最下層にすら辿り着けた記憶がありません
「ジェノサイドの巻物って、NetHackのScroll of Genocideが元ネタらしいよ」とどこかで聞きつけて遊び始めたところまでは覚えています
しかし意気揚々とやってみたものの、所詮元ネタが気になった程度のやる気では踏破できないのでありました……
職業は円盤皇女ワルキューレばっかりやってました
スキルの取り方 (何の死体を食べるとどうなるのか?)とか未だにイマイチ分からない、困ったシステムです
筆者の頭が悪いだけなんでしょうか
#dip とか#pray とかもとっつきづらさに拍車をかけているイメージ

英語で挫折!胸張って言うことではない
こちらもv4.Xでタイルが充実してからちょっとプレイした程度、2~3Fまで行って雰囲気を掴んだっきりだったと思います
変愚やりまくった関係上、ある程度単語レベルや一部のシステムが理解できました
でも魔術書が1系統しかないとか色々違いもあったり(この辺、本当か? と書きながら思ってます……)
アイテムについても、効果の違いを実感できるレベルではプレイしていません
そしてメイジは死ぬほど弱い! レベル4でも1Fで死ぬ!
変愚と違って未識別アイテムは「店に献上すると無料で識別してくれる」という仕組みで中々金が貯まらなかったのはがーんだな状態でした
もちろん変愚の元ヴァリアントなだけあってとっつきやすさはネトハクより数段上です
英語力に自信があって色々と違いを吸収できる遊び方ができるようになったら長く遊べると思います

雰囲気が大好き、グラフィックもBGMも
森のマップにクマが沢山出るなどしっかり世界観を活かしたモンスターの配置になってます
クマにも種類があって、雪系のマップにはシロクマが出るとかそういう細かい部分に惹かれました
満腹度の概念がなくて食料に悩まされなかったのもグッドポイント (これは賛否両論あるかも)
コンティニュー式で霊界から生きて戻れるシステムも世界観のマッチ度が高くて好みでした
広域マップは変愚のそれより更に広く、あちこち歩き甲斐があるように組まれています
そしてフィールドに入った後の「一度倒したモンスターは復活しない」というシステムはいい意味で痺れます
「各フィールドにおけるモンスターの数は、最初に湧いた分だけ (但し分裂するのは除く)」ってシステムは他には見受けられないものです
職業等がアンロック式になっていて、難易度の高いジョブは最初できなくなってます
この辺の「初心者はこの辺から」っていう製作者側の親切も悪くない
全体的にハクスラ感のあるプレイスタイルをやっていましたが……が! しかし!
変愚にハマってしまったので今はお休み中といったところ
変愚で*勝利*できたらぜひプレイしたいゲームの1つ
海外製ですが和訳パッチもありますよ!
同じくAdvent Calendarのこちらで紹介されていますので、ぜひ遊んでみて下さい!

変愚蛮怒
絶賛攻略中……本家は44FのRQ級ユニークに吹き飛ばされる程度の能力
短愚蛮怒はオベロン前の掃除をしてるところです、破壊さんやらウンゴリアントやらジェラードをしばき倒さねば なんでアトラク=ナクアに女性フラグついてねーんだよ
変愚もダンジョンによってモンスターの傾向が分かれてはいるのだけれど、
龍窟の奥深くに潜っても見習戦士 (ソロ)とかいたりするのがうーん……って感じ
この子達に限らず最弱Dのブレス一発で消し飛ぶ連中がうろついていいダンジョンではない、という意味でフレーバーはToME4より弱めかな?
もちろんシステム的には相当完成されている部類だと思います、r混因沌がぴったり埋まると脳汁が出る出る

「毒」が他の作品より凶悪な威力を持っているという点それ自体は結構好み、でもワーロックの矢とガチャピンの放射性廃棄物ブレスはバランス狂ってる気がやっぱりします
  • 幽体獣は常に単体生成である関係上、ぶっちゃけ初見殺しで遠距離職なら大した苦労もなく倒せる
  • 深層ユニークでもたまに混乱抜けしててパニモンorカオスボルトで完封できたりする
  • 雑魚ばっかりでぽんぽん降りていったら護衛持ちユニークに物量で潰される
こんな大味さは初代シレンに似ている気がしなくもないですね
やったことあるのは主にレンジャーとメイジ、種族はドラコニアンやらメイジやらインプやら
まだまだ思い出が足りず、調査ばかりの毎日でございます
アリの中にイーク_2
こーゆーので和めたらキミも立派な変愚蛮怒erだ!


何でもかんでもって感じの楽しいゲームでした
核は買わなかったけど!
衛兵には丁寧に接してたけど!
ひたすら大根を掘ってみたりお使いしまくってみたり、ふと思い立ってピアノを持ち運びつつおひねりもらってみたり
結局メインダンジョンってどこにあるんだよレベルで寄り道しかしなかったゲーム
昔ハマった記憶がありますが、ちょっとハマりすぎたので強靭な意思で中断しました
その後やる気が復活することなく現在に至ります
「やりたいことを自分で見つける」というオープンワールドスタイルのゲームが苦手な人は非常にとっつきにくいでしょう
逆に言えばそれが苦じゃないのでハマったとも言えます

他は語れるほどの思い出がないので割愛


どれが好き?
そう言われると難しいです
システムに一番慣れているのは変愚、やりたい放題でオープンワールド系の楽しみ方ができるのはElona、グラフィックの雰囲気や冒険感が充実しているのはToME4
どれも捨てがたいですが、ここは変愚と答えておきましょう
どれが一番オススメ? と言われると、これはToME4です
タイル完備でシステム面が今風のRPG (スキル割り振り式)で救済措置もあり色々分かりやすいのが理由
気に入ったらSteamで有償版を買ってみても良いかも!(ダイレクトマーケティング)


PCとCSの違いについて
本題遅くね?

Rogueとトルネコ
Rogue Clone2を気まぐれにプレイしたのは2013年くらいだったでしょうか
一番驚いたのが、「初代トルネコってよくまぁここまでトレースできたなぁ」でした
出てくるモンスターやアイテムをほぼ全部DQ風にアレンジしたチュンソフ党のメンバーには舌を巻くばかり
後のインタビューで「当時使える版権がDQしかなかった(苦笑」と言ってましたが、本当に凄い作り込みです

全体的なシステムもCS向けに優しくなってます
例えば目潰しの薬
Rogue Clone2では約700ターン暗闇に包まれ、地形もロクに分からなくなる極悪なアイテムです
トルネコ1ではターン数は激減しています (50ターン)し、地形は暗いながらも画面にハッキリ映ってます
自分のいる場所が部屋か通路かも分からないまま、文字通り手探りで移動キーを押し続けるシステム的な苦痛がありません
この辺のバランス調整にどれだけの時間をかけたのでしょう?

そして「金は単なるスコア稼ぎ専用アイテム、金を盗む魔物対策で一切拾わないのが正解」というシステムは忠実に踏襲しています
トルネコには「店の拡張」という概念があるので金は全くの無意味ではありませんが、「不思議」をクリアすると拡張度合いが1発で最大になるので慣れた人には無用の長物、下手すると制限プレイの領域です

なお結局Rogue Clone2は10Fくらいで諦めた記憶
微妙に似て非なるシステムなので、ケンタウロス (初代トルネコのキメラ相当)に撲殺された前後にやる気が尽きました
全体的にマイナスアイテムのマイナスっぷりが半端ないので未識別アイテムを使う気が起きなかったという、システムに挫折した例の1つです

NetHackとシレン
初代シレンには「隠し通路/隠し部屋」という概念があります
元となったNetHackと同じように、一見壁に見える場所は通路や部屋になっている──というものです
しかしここでもチュンソフ党の親切心が垣間見えます
  • 1つのフロアに存在する隠し部屋は高々1つである
  • 大抵の場合、行き止まりの通路で素振りするとその先に隠し部屋がある (そして、隠し通路は確実に1回の素振りで明らかになる)
  • マップが絶対座標で表示されるので、隠し部屋らしき空間があったら不自然にマップの右上等が空いている (後続のシリーズではマップが相対座標になり、歩き回らないとフロアに降り立った瞬間の相対位置が分からない。但し隠し部屋自体が廃止されたので全く困らない)
NetHackの場合、どこにどのような隠し通路があるのかハッキリせず、更にマップが相対座標なので「……で、どの壁を何回9sすればいいんだ?」になりがちです
暇潰しに探す程度ならいいんですが、1Fにして階段が見つからないと早速ゲヘナ気分です
この際ドアに抵抗されて開かないことは些細な問題でしょう、「ドアしかない」まであります
NetHack_1F
記事を書くためだけに立ち上げたら早速こんなことに。ここからどうしろと……

ほとんどCS系にしかない要素
さて、CS系ローグライクに(割と)共通する重要要素をもう2つ挙げてみましょう
  • 上り階段なし
  • 合成システム
NetHack/Angband/Elona/ToME4は2Fから1Fに、1Fから広域フィールドないし何らかの拠点に戻れます
戻れないので有名なのはRogue (Clone)くらいではないでしょうか?

一方CS系では原則として先に進むのみです (一部例外あり)
「緊急回避的に上の階層へ逃げる」とか「一旦拠点で立て直しを図る」という行動は一切取れません
浅い階層で落とし穴から次の階層へ強制移動しようものならば、敵の強さ上昇スピードにプレイヤーキャラがついていけない自体にも陥ります
ある意味男気のあるゲームと言えるでしょう
もちろんCSならではの救済措置もあり、端的には拠点へ手持ちのアイテムを転送できるアイテムないしシステム (鉄の金庫、リレミトの巻物、倉庫の壺、飛脚、その他)があります
更に「どんな対策をしようと1ターンキル」という事態は99%起きないよう工夫されています (もちろんローグライクに絶対はないので1%を残しておきます)
「詰みすらも楽しむ」のは上級者向けと位置付けられていると言っても良いです
仮に死んでも、倉庫のアイテム及び各種イベントフラグが保持されるのも大きいでしょう
何せNetHackでは死んだらセーブデータごと消えますから

合成も、これまた一部の例外 (変愚の抽出等)を除けば、「Aという武器の能力をBに付与する」というのは余り見受けられず、アーティファクトに代表される射幸心あふれるアイテム運が重要な界隈に思われます
合成という概念が 存在しない退屈なPC系ローグライク世界 強力に存在するCS系ローグライクはチュンソフトの系譜が相当色濃く残っている界隈だと推定してみます

他にも「肉」やら「罠」やらコンセプト系ダンジョンがあることも大きいでしょうか?
いわゆる持ち込みOKのダンジョンへこれらのコンセプトを持ち込むことは可能ですが、敵やアイテムの分布が通常と大きく異なるが故に「不思議・もっと不思議」を攻略するのとは異なる戦略を求められるという点において、振れ幅の大きい攻略ができるでしょう
PC系の場合、元々の難易度が高いので「あれもこれも」な方針のダンジョンは作りづらいだろうという想像もしてみます (変愚の「ガラスの城」はかなりいい線行ってますね)

ほとんどPC系にしかない要素
職業やら種族やらといった概念が代表的です
一方変愚では、いバ戦からなイ観まで凄まじい種類のキャラメイクが可能であり、Lv1時点における可能性の幅が非常に広くなっています
「キャラクター=あなた」タイプの洋ゲーにどっぷり浸かるには、この方がきっと楽しいでしょう!

意外と「pit」の存在も大きいです
場合によっては100体以上のモンスターが詰まっているという事態は、CS系ローグライクでは (特にSFCでは搭載メモリの関係上)お目にかかれず、以降の様々なシリーズもチュンソフト系を基準に発展したことを考えると、今後もこのようなpitが実装される可能性は低いと見ています
「魔力の嵐2連発」に代表される「1ターンキル」が頻発するのもまた、PC系の特徴です。CSだとクレームが出てもおかしくないレベルなので、仕方ないと言えば仕方ありません

例外はトルネコ2で、魔法使いに転職でき、その場合武器と防具は装備できず、素手の攻撃力はLv1のまま固定されるなど、実にPC系らしい特徴を備えています
しかし「HPの伸びが良い」「常時浮いている」などといった特徴が選べるようなCS系ローグライクは、寡聞にして存じ上げません
「キャラクター=操り人形」タイプの和ゲーならではの特徴なのかもしれません


さて乱文となりましたがこれにて10日目を締めようと思います
長々とお付き合い頂きありがとうございました!

※ 12/10 22:30頃、「NetHackとシレン」「ほとんどPC系にしかない要素」を加筆修正し、「ほとんどCS系にしかない要素」を分離しました